文書作成日:2017/08/29
コピーした契約書に印紙税は課税されるのか?

[相談]

 建設業を営む会社で経理を担当している者です。

 当社では受注工事ごとに契約書を作成しており、その署名押印した契約書の原本は経理部で保管しています。しかし、業務の都合上、営業担当者が頻繁に契約書を確認する必要があることから、経理部で保管する契約書原本をコピーして営業担当者に資料として渡しています。なお、このコピーは単なる写しであり、コピーに原本証明等はしていません。

 このように、契約書原本をコピーした場合に、そのコピーした契約書も印紙税の課税文書となるのでしょうか。


[回答]

 契約書原本を単純にコピーしただけである場合、そのコピーは印紙税の課税文書とはなりません。

 ただし、そのコピーに原本証明をするなどした場合には、印紙税の課税文書となる場合があります。


[解説]

 契約書は、契約の当事者がそれぞれ相手方当事者などに対して成立した契約の内容を証明するために作られますから、各契約当事者が1通ずつ所持するのが一般的です。この場合、契約当事者の一方が所持するものに正本又は原本と表示し、他方が所持するものに写し、副本、謄本などと表示することがあります。しかし、写し、副本、謄本などと表示された文書であっても、おおむね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、印紙税の課税対象になります。

  1. 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
  2. 正本などと相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの
 なお、所持する文書に自分だけの印鑑を押したものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものですから、課税対象とはなりません。

 また、契約書の正本を複写機でコピーしただけのもので、上記のような署名若しくは押印又は証明のないものは、単なる写しにすぎませんから、課税対象とはなりません。同じく、ファックスや電子メール等により送信する場合も正本等は送付元に保存され、送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であり、課税対象とはなりません。

 このように、印紙税は、契約の成立を証明する目的で作成された文書を課税対象とするものですから、一つの契約について2通以上の文書が作成された場合であっても、その全部の文書がそれぞれ契約の成立を証明する目的で作成されたものであれば、すべて印紙税の課税対象となります。

 さて、ご相談の場合は、御社において所持する契約書の原本を社内資料として使用するために、コピー機で単に複写しただけのものですので、たとえ精巧なものであっても、単なる写しに過ぎないため印紙税の課税対象とはならないのです。


 印紙税のルールは非常に複雑で、その判定には、印紙税法だけでなく民法の契約に関する部分の知識も必要となります。御社のようにたくさんの契約書を作成される場合、仮に税務調査で指摘を受けますと、過怠税が多額となることも考えられます。

 そのような事態を未然に防ぐため、契約書を作成されましたら当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
印基通19


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